〜 家畜になったお姫様 〜 | |
第四話 「宴の始まり」 「ん、ん・・・」 眠りから覚めたカルナ姫。 薄暗い岩壁の部屋。異常な湿気と臭気が鼻を刺激します。 目覚めきっていないカルナ姫は、状況が理解できないようです。 (ど、どこ・・・?) 手足を動かそうにも身体の自由が利きません。カルナ姫は自分が大の字の形に固定されていることに気づきました。手首と足首は縄で縛られ、その縄の先が柱に結び付けられています。 カルナ姫の頭は一気に目覚め、自分の身に起こったことを思い出しました。 (そうだわ、私、コズボという男に騙されて!) その時、突如、カルナ姫の下から声がしました。 「ようやく目覚めただか、お姫様。いや、もう、お姫様でねえ。オラの家畜だぁ。」 カルナ姫が慌てて下に目をやると、あの男が股の下に座り下卑た笑みを浮かべながら見上げていました。 |
|
「コズボさん!ど、どういうことですの、これは!?」 暗い地下室に身動きができないように捕らえられているのですから、これから何が行われようとしているのかは、いくらお姫様でも容易に想像ができます。しかし、 カルナ姫は精一杯の勇気を振り絞って問い詰めようとしました。 「どうもこうもねえ。これからメス牛の調教を始めるところだよ。」 「あ、あなた、皇女である私に、こんなことをしてただで済むと思っているのですか!」 「ああ?何言ってんだ。オメエは皇女様なんかじゃねえ。ただの家畜。コズボ様所有のメス牛だぁ。 オメエの名前は『ハ・ナ・コ』、『ハナコ』だあ。ハナコの代わりにやってきたからハナコU世だべ。ちゃあんと、オメエの首輪にも書いてるだべよ。」 (こ、この男、狂ってる・・・!?) とても正常な人間の言葉とは思えません。 「ね、ねえ、コズボさん。こんなことは止めて、私を自由にして下さいな。きっと、私を探してすぐに衛兵達がやってきますわ。 今、開放してくれたら、このことは誰にも言いません。で、ですから・・・」 カルナ姫は威圧的な態度を取るのをやめて、今度は、コズボを懐柔しようと優しく語りかけました。 「はっはっはっは。オメエ、助けが来ると思ってんだか?バカなメスだべ。 ええか、この辺りの森は『魔の森』って言われててな。一度、入ると皆、死ぬまでさ迷うことになるだよ。ただし、ここで生まれ育ったオラは別だけどなあ。 衛兵とやらも迷って餓死しておしまいだあ。ひっひっひっひ。」 「そ、そんな・・・」 カルナ姫はわずかな希望を絶たれ、顔から血の気が引いていきます。 「しっかし、いい眺めだあ。 オラ、前に街でオメエを見た時、むちゃくちゃ欲情しただよ。短いスカートがヒラヒラ舞ってよ。そこからカモシカみてえに綺麗な足が伸びてるだよ。 見えそうで見えねえスカートの中って、こ〜んなパンティ履いてたんだなあ。」 「コズボさん、お願いですから止めて下さい!女性にこんなことをするのは恥ずべき行為ですよ!」 「ああ!?メスの匂いプンプンさせて誘ってるくせに、何言っているだあ?」 「メ、メス・・・、そ、そんな匂いなんかさせてません!これ以上、侮辱すると許しませんよ!」 パンッ!! コズボがカルナ姫の頬を平手打ちにした。 |
|
「今まで、お姫様か何かでちやほやされてきたか知らねえが、もう、オメエはただの家畜だって言ってるだろ!物分りの悪いバカ牛だべ! 前のハナコはもっと賢くて気立てのええ牛だっただ!」 「わ、私は牛ではありません・・・」 カルナ姫は消え入りそうな声で否定しました。彼女は今まで一度もぶたれたことなどなく、平手打ちされたショックが大きかったのです。 「何度、言ったら分かるだ!!このバカ牛がっ!! オラんちに来る前のことは全て忘れろ!オメエは牛のハナコだ!!そんなことで、前のハナコに申し訳ねえと思わねえのかっ!!」 バシッ!!バシッ!!バシッ!! コズボは再び平手打ちしながら叫びました。 「ふう、ふう・・・。まあええ。時間はたっぷりあるだから、これから、じっ〜くりと調教してやるべ。これくらい抵抗してくれた方が調教のしがいもあるってもんだな。へっへっへっへ。」 (わ、私は牛ではありません・・・うっうっ・・・) 今度は言葉にならず、ただ、カルナ姫の嗚咽が地下室に響いていました。 |